1 / 8Spotlight feat. Nia Archives
Spotlight feat. Nia Archives 注目の新人アーティストを紹介💫 プロデューサー、シンガーソングライター、DJ、レーベルオーナーといくつもの顔を持つ22歳のNia Archives。 自身のルーツであるジャマイカと90年代のジャングルシーンにインスパイアされた楽曲を携え、新世代のジャングルシーンを牽引するアーティストとして着実に歩みを進めている。 イングランド・リーズの出身で、ジャマイカとイギリスの血を引く彼女。8歳でピアノを弾き、12歳からはLogicで自らビートを作り始めた。16歳で単身移住したマンチェスターではレイブを渡り歩き、17歳で本格的な音楽制作を開始。現在はイーストロンドンのウェストミンスター大学で音楽制作を学んでいる。 幼少期に教会で聴いたゴスペル音楽を最初の音楽体験と振り返るが、家族パーティーで叔父がDJとしてプレイしていた、レゲエやラヴァーズ・ロック、ロックステディ、ダンスホール、そしてジャングルなど日常的にジャマイカ起源の音楽に触れてきたことが現在の彼女の音楽に大きな影響を与えた。 楽曲制作はYouTubeのチュートリアルを見てBoom Bapを作ることからスタートしたという。幼い頃から身近にあったジャマイカ音楽と、マンチェスターのレイブを往来することで触れてきたHipHopやダンスミュージック。多様な音楽から影響を受けてきた様は、ベッドルームで制作された2021のEP「HeadzGoneWest」から伺える。初期の楽曲である「Crossroad」はもともとHipHopのビートのため制作されたものだ。 Lava La RueやPinkPantheressの楽曲リミックスを手掛けるなど、今注目されているの同世代アーティストたちとの関わりも深い。 今年3月10日に自身のレーベルHIJINXX*から*リリースしたセカンドEP「ForbiddenFeelingz」では、ネオ・ソウルボーカルとヒップホップとソウルの潮流を汲んだメロディーを爽快なジャングルに融合させ、新たなスタイルを確立させた。 歌詞では自身のメンタルヘルスや身体醜形障害などのセンシティブなトピックに触れ、自己愛の重要性に焦点を当てている。 敬愛するアーティストとして挙げるのは、実験的なサンプリングを用いて独自のサウンドを提案し続けるダブステップを代表するアーティスト Burial、人間愛をテーマにした真摯で情熱的なリリックを得意とするラッパー兼プロデューサー Roots Manuva、マーキュリープライズも受賞したドラムンベースのレジェンド Roni Sizeである。 いずれもUKのアーティストで、Roots ManuvaとRoni Sizeはジャマイカをルーツに持つ。 一方で、男性主導の音楽シーンにも一石を投じる。曰く「最近のドラムンベースとジャングルレイブは常に男性が中心にいる。自分はただのボーカリストだと思われることが多く、自ら楽曲制作も行っていることを信じてもらえないこともあった。常に”女性”プロデューサー、”女性”DJと呼ばれているが性別は関係あるのか」と。 彼女はドラムンベースシーンにおけるジェンダー平等を目指して活動する女性たちで構成された「EQ50」に所属し、2020年には、Critical Music、Function Records、Shogun Audio、Ram Records、V Recordingsと、ドラムンベースを手掛ける名立たるレーベルと共同でメンターシップが開始された。 今年は3月初頭に音楽誌『NME』が主催するNMEアワーズでベストプロデューサーを受賞。Glastonbury最大のダンスエリアであるSilver HayesやGreen Man Festivalへの出演など、イギリスを中心にヨーロッパ各地でのがライブも決定している。破竹の勢いで躍進するNia Archivesは、ジャングルシーンに残るミソジニーに終止符を打つ存在にもなるであろう。
